国内旅行実務における、貸切バスの運賃・料金計算についての記事です。計算の順番を語呂合わせで覚えて、マスターしましょう!
目次
どんな問題が出るの?
どのような形式で過去問が出るか確認しましょう!
| 問23. 貸切バスの運賃に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ※「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の変更命令について(令和年月 25 日付関東運輸局長公示)」によるものとする。(令和6年度 総合) |
| a. 運賃は各運輸局で定められた公示運賃額の上限額と下限額の範囲内で決定される。 |
| b. 時間制運賃の算出で、走行時間(出庫から帰庫までの拘束時間をいい、回送時間を含む。)が2時間 20 分の場合は2時間として計算する。 |
| c. フェリーを利用した場合の航送にかかる時間(乗船してから下船するまでの時間)が3時間未満のときは、時間制運賃の対象としない。 |
| d. 学校教育法による学校(大学及び高等専門学校を除く)に通学又は通園する者の団体に対する割引については、届け出た運賃の下限額を下回らない額を限度とする。 |
| 1. 貸切バス及びフェリーによる運送に関する以下の各設問について、それぞれ選択肢の中から答を1つ選びなさい。 次の内容で小型車の貸切バス(本設問において、以下小型バスという。)1台とフェリーを利用するとき、契約責任者が負担するこの利用に係る費用について、資料に基づきそれぞれ選択肢の中から答を1つ選びなさい。 7月1日(土) 4:40 出庫(回送) 5:00 新潟駅(乗車地) 6:00 新潟港(フェリー、2時間30分) 8:30 両津港−佐渡島−両津港 12:40 両津港(フェリー、2時間30分) 15:10 新潟港 15:40 新潟駅(降車地)(回送) 16:10 帰車 〈資 料〉 ● この小型バスの走行距離は44キロであり、回送距離の合計12キロを含んでいる。 ● この小型バスの走行時間は11時間30分であり、回送時間を含んでいる。 (1)この小型バスの運賃及び料金に関する記述のうち、正しいものはどれか。(令和5年度 国内 改) |
| ア. 運賃は「11時間分の時間制運賃」と「30キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は不要である。 |
| イ. 運賃は「12時間分の時間制運賃」と「40キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「3時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
| ウ. 運賃は「13時間分の時間制運賃」と「44キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「2時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
| エ. 運賃は「14時間分の時間制運賃」と「50キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「1時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
答えはそれぞれ「d」と「エ」です。
いかがでしょうか?
総合の問題は国内の問題よりもあっさりしている傾向があります。海外旅行では国内のバスの運賃で計算しないのが理由と考えられます。
対して、国内の方の文章といったら…フェリーの文の要素を省いてこの量なんです。
けれども、最終的に問われるのは総合も国内も同じです。
「『割引と下限額』、『3時間と点検時間』、『キロ計算切り上げ』、『時間計算切り上げ』、『回送』、『深夜と早朝の時間』」この6項目を見落とさずに計算できますか?」
つまりこの記事を読んで語呂合わせを覚えて、6種類すべて見落とさなければ、自信を持って回答できる問題なんです。これはJRや飛行機、フェリーの運賃、料金計算ではできないボーナス問題と言っていいです。
少し長い語呂合わせですが、計算順を一気に覚えてしまいまいましょう!
今回の「語呂合わせ」はこちら!
貸切バスの運賃・料金計算を覚える語呂合わせ
『正味額に影落とさず サンジ時々1キロ揚げ肉捨て 海藻浅くて深いとこ (しょうみがくにかげおとさず さんじときどきいちきろあげにくすて かいそうあさくてふかいとこ)』
長い!
総合では4点、国内では5点だけ。
けれども、これを覚えれば見落とし無く、自信を持って問題を解くことができます。1点で合格不合格が分かれる試験で、お守りにできる1問がどれほどありがたいか。
しっかり覚えていきましょう!
ここからは「語呂合わせ」の解説です。この語呂合わせは6つの要素から成り立っています。
- 正味額に影落とさず
- サンジ時々
- 1キロ揚げ
- 肉捨て
- 海藻
- 浅くて深いとこ
正味額に影落とさず
まずは、障(しょう)がい者3(み)割引、学(がく)生2(に)割引、但し下限額(かげ)を下回らない(おとさず)。料金の計算全体に関わる条件です。
上記の総合の問題の「d」がこれに該当し、正しい選択肢、これを選べば正解となります。下限額は障がい者割引と学生割引よりも優先されることを忘れないようにしましょう。
サンジ時々
とある海賊漫画の料理人が食材を捨てるなんてことは天地がひっくり返ってもありませんが、語呂合わせなので悪しからず。
たとえ走行時間が2時間29分以下であっても、最低3時間から計算する。そして、それに「点呼点検時間」という前後1時間、計2時間を加えて計算する。貸切バスの時間制運賃の計算にはこのようなルールがあります。つまり、最低でも5時間分の料金が発生するということです。
上記の総合の問題の「b」はこのルールに反します。
1キロ揚げ
貸切バスの運賃は、時間制運賃とキロ制運賃(距離)を別々に計算し合計したものが適用されます。(+消費税)
キロ制運賃の計算において、重要なのが「走行距離10km毎に計算され、1km(1キロ)超えた場合切り上げる(揚げ)」ということです。下記の時間制運賃と異なるルールですので、語呂合わせで両方の違いを正確に覚えましょう。
肉捨て
キロ制運賃が「1km切り上げ(1キロ揚げ)」だったのに対して、時間制運賃の計算では「走行時間と点呼点検時間1時間毎に計算され、29分(にく)以下は切り捨てる(すて)」といったルールに従います。
上記の総合の「b」の選択肢は、このルールを誤答として利用したというわけです。
語呂合わせの順番に計算していけば、「サンジ時々」の時点で罠を回避できます。迷った時には落ち着いて、語呂合わせの順番を最初からたどりましょう。
海藻
海藻は回送のダジャレです。要は、旅行客が乗っていない、点呼点検時間や観光地を楽しんでいる時間、港や乗車地変更での待機や移動する時間も計算するということです。
上記の総合の「c」はここに反します。
浅くて深いとこ
いよいよ最後の項目です。
夜の10時(22時)から朝の5時に運行した場合には、深夜早朝運行料金という料金が上乗せされます。「早朝(あさ)深(ふか)夜の料金は、夜10時(と)から朝5時(こ)まで」であることを確認しましょう。
国内の問題を自力で解こう!
ここで、上記の国内の問題を見てみましょう。深夜早朝運行料金が何時間分であるか、自分の力で挑戦して求めてみてください。
今の貴方なら出来るはず!
分からない部分が出てきたら諦めず、語呂合わせの順番をたどりましょう!
以下に解説です。
まずは、「サンジ時々」。走行の前後に1時間の点呼点検時間を加えるというルールがありました。
次に、「肉捨て」。29分以下の時間は切り捨てて考えるルールがありました。
また、「海藻」。走行時間の計算は、旅行客が乗っていない時間にも適応されるルールがありました。
最後に、「浅くて深いとこ」。早朝は朝の5時まで。
よってこの問題はつまり、「4:40から5:00までの20分間に1時間を足して、29分以下を切り捨てた時間分の料金」を求めれば良いということです。
答えは、「エ」の「1時間分の深夜早朝運行料金がかかる」でした。
このあと、時間制運賃とキロ制運賃の計算についても個人で挑戦してみてください。
総合の問題の補足
総合の問題の「a」は、「上限額が決まっている」という部分が誤りです。「運転手さんの給料を上げるために運賃上げます」や「石油が高くなったので運賃上げます」は各運送会社に認められているということです。
「各運輸局(地方運輸局の言い換え)」「下限額が決まっている」の部分は合っています。
まとめと復習問題
まとめ
長文読んでいただき、誠にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
貸切バスの運賃計算の問題を解くときは、『正味額に影落とさず サンジ時々1キロ揚げ肉捨て 海藻浅くて深いとこ』の語呂合わせに沿って解くことを理解できましたでしょうか?
最後に復習問題をご用意しました。挑戦してみてください。
貴方の旅行業務取扱管理者合格を、心よりお祈り申し上げます!!!
復習問題
| 問 51 貸切バスによる運送に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。 次の行程で運行する大型車の貸切バス(本設問において、以下「大型バス」という。)の運賃・料金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (注1)「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」によるものとする。 (注2)大型バスの運賃・料金は、「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の変更命令について(令和5年8月 25 日付 関東運輸局長公示)」によるものとする。 (注3)この利用に係る大型バスの運賃の割引はないものとする。 (注4)この大型バスは運転者1人で運行するものとする。 (注5)この大型バスに特殊車両割増料金の適用はないものとする。 <行 程> ① この大型バスは2日にわたる運行で宿泊を伴う利用である。 ② この大型バスの運行行程は次のとおりである。 ・ 1日目:出庫時刻は5時、走行時間は7時間、宿泊場所到着時刻は 12 時、走行距離は 240 キロ、宿泊場所到着から翌日の宿泊場所出発まで走行しない。 ・ 2日目:宿泊場所出発時刻は8時、走行時間は8時間、帰庫時刻は 16 時、走行距離は 250 キロ。 ・ 2日にわたる回送時間の合計は2時間である。 ・ 2日にわたる回送距離の合計は 40 キロである。 (令和6年度 国内 例題) |
| ア.この大型バスの運賃は、「13 時間分の時間制運賃」と「450 キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「1時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
| イ.この大型バスの運賃は、「19 時間分の時間制運賃」と「490 キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「1時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
| ウ.この大型バスの運賃は、「15 時間分の時間制運賃」と「450 キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「2時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
| エ.この大型バスの運賃は、「17 時間分の時間制運賃」と「490 キロ分のキロ制運賃」の合計額、料金は「2時間分の深夜早朝運行料金」が必要である。 |
| 答え イ 時間制運賃→回送時間を除かない走行時間「15時間」と「点呼点検時間2日間4時間分」 キロ制運賃→回送距離を除かない走行距離「490キロ」 深夜早朝運行料金→1日目の早朝の点呼点検時間「1時間分」 |
参考 備考
『2024年版 ユーキャンの国内・総合旅行業務取扱管理者 速習レッスン』(ユーキャン 自由国民社)
一般社団法人 日本旅行業協会(JATA)
一般社団法人 全国旅行業協会(ANTA)

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